9PROJECT vol.16「夜長姫」

[作・演出] 渡辺和徳  [原作] 坂口安吾「夜長姫と耳男」より

[出演]高野愛 相良長仁 小川智之 鈴木利典 友部康志 鈴木万里絵 ・ 遠山結子
[振付]遠山結子

[日程]2022年4月21日[木]〜24日[日]
[劇場]シアターグリーン BASE THEATER
[LIVE配信]2,500円

[上演時間]約1時間45分


ABOUT

…その日、オレは姫を殺した。

空はとても高くて、どこまでも広く、青かった。
姫は、青空だった。
オレはその青空を、ただ…ただ、抱きしめたかったのだ。

本編より

 9PROJECTの新作公演では、これまで江戸川乱歩の「芋虫」、アルベール・カミュの「異邦人」を題材に新作戯曲を書き下ろしてきました。今回の原作となるのは、戦後の日本文学における無頼派の筆頭・坂口安吾の「夜長姫と耳男」です。

 無邪気に人の死を喜ぶ高貴で残酷な姫と、その姫を呪いながらも次第に心惹かれていく耳男…。昔話のように語られるこの物語は一種異様とも言える幻想的な美しさを伴い、「桜の森の満開の下」とともに安吾文学の最高峰と言われています。

 安吾は著作「文学のふるさと」の中で、シャルル・ペローの「赤頭巾」他3作品を引いて「氷を抱きしめたような、切ない悲しさ、美しさ」があると語っています。そしてそれは、読者がそこに「絶対の孤独——生存それ自体が孕はらんでいる絶対の孤独」を見るからだ、と続けます。絶対の孤独——それこそ、この「夜長姫と耳男」に描かれているもの、そのものではないでしょうか。

 9PROJECTの新作公演では、常に脚本の“言葉”、俳優の“声”、ダンサーの“身体表現”を組み合わせた、観客の感覚知に訴えかける表現の模索を続けてきました。今作でも安吾の描く「凄然たる静かな美しさ」を舞台に再現るべく、力溢れる俳優・スタッフが集まってくれました。彼らとの創作の日々の中でどのような表現が生まれてくるか、とても楽しみにしています。

 今作では、大きな耳というコンプレックスを持つ耳男という存在を「自身」と「心の声」に分け、姫との間に生まれた数奇な絆——もしくは愛——を通じて、その「絶対の孤独」と向き合い、超越していく姿を描きます。
 孤独こそが人間の実相であり、「ただ一人曠野を歩いて行く」以外に幸福に至る道はない、といった坂口安吾。物語の終わりに耳男が出した結論は、先行きの見えない現代社会を生きる人々にとっての一つの希望となるかもしれません。

STORY

好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。
いつも天井に蛇を吊して、いま私を殺したように立派な仕事をして……

 飛騨のタクミは名を残さず。ただイノチを残す。
 そう称えられた彫師の村に、人並外れた大きな耳を持つ男がいた。名を、耳男。その異形のために人から笑われ、孤独に生きてきた男であった。

 ある日、耳男の師匠の元に、夜長の村の長者からの使者がやってくる。美しいと名高い夜長姫のために、三人の匠に腕を競わせ、弥勒菩薩を作ってもらいたいのだという。図らずも、病身の師匠の代理を務めることになった耳男。だがそこで出会ったのは、純粋故の残酷さを持つ、恐ろしい姫であった…。

 無邪気な笑顔で血を好み、人の死を喜ぶ幼い姫。
 その姫の笑顔の奥に秘められたナニカに、耳男は激しく惹きつけられる。だが衆目の中、耳を笑われた耳男は、弥勒の代わりにバケモノの像を彫ることを決意する。

 耳男の脳裏に浮かぶ姫の笑顔は、姫に対する憎悪の念か、思慕の情か。
 人に非らざる姫と、チャチなる人間世界の間で惑いながら、耳男は像を刻んでいく…。

CAST

高野 愛

相良 長仁
(北区AKT STAGE)

小川 智之

鈴木 利典
(扉座)

友部 康志

鈴木万里絵
(北区AKT STAGE)

遠山 結子

TICKET

ロゴ画像

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申込締切:4月14日(木)
入金締切:4月15日(金)

購入ごとにポイントもつくお得な公演サイト!電話予約もご利用いただけます。

電話予約:0120-240-540(平日 10:00〜18:00)

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LIVE配信

配信日時4月22日(金)13:00
○アーカイブ配信4月29日(金)23:59まで

□チケット取り扱い

Confetti(カンフェティ)
https://www.confetti-web.com/9-project_streaming
※WEB予約のみでの受付となります。

<チケットについてのお問合せ先>
 カンフェティチケットセンター 0120-240-540(受付時間 平日10:00~18:00)
 お問合せフォーム:https://www.confetti-web.com/support/qa_reg_1.php

<購入・視聴方法>
以下のURLをご覧ください。
https://www.confetti-web.com/guide/streaming/

シアターグリーン
BASE THEATER

「池袋駅」
■南改札より地下通路(西武デパート側)39番出口…徒歩2分
■地上路で…徒歩6分

地下鉄 有楽町線
「東池袋駅」 徒歩5分

都電荒川線
「雑司ケ谷駅」 徒歩7分

東京都豊島区南池袋2-20-4
TEL:03-3983-0644
URL:https://theater-green.com/

※駐車スペースがありませんので、車・オートバイでのご来館はご遠慮ください。

*公演についてのお問合わせは、9PROJECTまでお願いいたします。

作・演出/渡辺和徳

1978年、東京都生まれ。
北区つかこうへい劇団に入団後、つかこうへいに文才を認められ、氏のもとで作・演出を学ぶ。
2003年、少年隊ミュージカル PLAYZONE「Vacation」で脚本業を開始。以降、演劇作品の脚本、演出を数多く手がける。

【つかこうへい原作作品】
「二代目はクリスチャン」「広島に原爆を落とす日」「弟よ!」「愛人刑事」「龍馬伝」などの構成、脚本を担当。
つかこうへい作品の演出は多数。

【主な脚本作品】
◇青山劇場「SAMURAI 7」「女信長」(原作/佐藤賢一)
◇明治座「神州天馬侠」(原作/吉川英治)「大江戸緋鳥808」(原作/石ノ森章太郎)
◇新国立劇場「AZUMI 幕末編」(原作/小山ゆう)
◇Zeppブルーシアター六本木「あずみ〜戦国編」(原作/小山ゆう)など。

STAFF

舞台監督=佐藤秀憲(ステージメイツ)
照明=三澤裕史(株式会社ライティングカンパニーあかり組)
音響=内藤勝博
振付=遠山結子
舞台美術=佐藤秀憲(ステージメイツ)
宣伝写真=堀内亮太
題字=荒井理紗子
制作助手=岩崎琴子

協力=扉座 北区AKT STAGE