9PROJECT vol.13
「熱海殺人事件」– 1973初演版 –
[作] つかこうへい [演出] 渡辺和徳
[出演]
A cast 小川智之・岩崎祐也・高野愛・仲道和樹
B cast 友部康志・熊倉功・高野愛・藤原儀輝
[神戸公演]2020年11月7日(土)〜8日(日)◇神戸三宮シアター・エートー
[東京公演]2020年11月11日(水)〜15日(日)◇theater新宿スターフィールド
[劇場観劇]一般 3,500円 / 学生 2,500円 (自由席/前売当日とも)
[ライブ配信]2,500円
[上演時間](A)約1時間40分 (B)約1時間50分
すべての「熱海」の原点、再び。
これは警視庁にその人ありといわれた「くわえ煙草伝兵衛」こと木村伝兵衛部長刑事と、熱血捜査官熊田刑事の心あたたまる感動の物語である。
これは1975年に新潮社から刊行された「熱海殺人事件」の初演版戯曲に書かれた最初の一行です。数あるつか作品の中でも今なお圧倒的な人気を誇り、上演され続ける「熱海〜」シリーズではありますが、この一行を知っている人は少ないのではないでしょうか。1973年に文学座で初演、翌1974年には岸田國士戯曲賞を当時最年少で受賞、つかこうへいの躍進はこの一冊の戯曲から始まったと言っても過言ではありません。その後、無数のバージョンが作られてきましたが、今この“初演版”を“そのまま”上演しようという試みは極めてまれです。
これまで9PROJECTでは「ストリッパー物語」「生涯」「かけおち」「出発」など、70〜80年代のつかこうへい作品を上演し続けてきました。口立てで作られた戯曲にはト書きがほとんどなく、解釈も容易ではありません。しかし私たちは戯曲に一切の脚色をすることなく、ただ真摯に“文字”に向き合っています。決して“つか芝居”の型にはまることなく、どんな表現が可能かを模索し続ける…。つかに直接師事したメンバーだからこそ、一度自分たちの常識を引き剥がして戯曲に向き合うことは“つかこうへい”を理解する上で非常に重要であると私たちは考えています。
「たとえ何十年たとうと、『熱海』は『熱海』の力強さを決して失わないと断言できる」とは、つか自身の弁です。この初演版で、今改めてその“力強さ”を再確認したいと思っています。
再演にあたって
2018年にこの「熱海」に挑戦した時ほどの衝撃は、これまでの演劇人生の中で一度もなかったと言っていいでしょう。それほどに、この戯曲は恐ろしい。
これほどの面白さが、これほどの奥深さが、一つの作品の中に内包されていることは信じがたいことです。正直なところ、なぜこの作品を、以後のつかこうへいがあれほどに書き換えていったのか、理解できないほどです。もちろんそれは、どんなに書き換えても「熱海」の骨格は崩れないという自信があったからこそなのかもしれませんが。
上演直後から「またやろう」という話はメンバーでしていました。しかし、すぐにやったのではさらなる進化は難しい。そこで、一年半という時間をあけての再挑戦となりました。次にこの作品に向き合った時、いったいどんな景色が見えるのか…。今から楽しみにしています。
演出 渡辺和徳
公演中止となった「二代目」キャストが参戦!
DVDに残せたとは言え、お客さんの前に立てなかったのはあまりにも無念…!
ということで、急きょ9PROJECTの次回作「熱海殺人事件」に「二代目」キャストが多数参戦! 9PROJECTでは初めて、ダブルキャストでの上演が決定しました!
同じ戯曲を使っても、演じる人によってガラリと色が変わるのが、つか芝居です。お時間がございましたら、ぜひ両キャストを見比べてみてください!
CAST(A cast)
部長刑事(くわえ煙草伝兵衛)
小川 智之
刑事(熊田留吉)
岩崎 祐也(劇団朱雀)
婦人警官(ハナ子)
高野 愛
若い男(大山金太郎)
仲道 和樹(劇団PATHOS PACK)
CAST(B cast)
部長刑事(くわえ煙草伝兵衛)
友部 康志
刑事(熊田留吉)
熊倉 功(BRATS)
婦人警官(ハナ子)
高野 愛
若い男(大山金太郎)
藤原 儀輝
MAP(神戸公演)
JR三ノ宮駅 東口より 徒歩3分
神戸市中央区琴ノ緒町5丁目6-9
URL : http://www.a-to-kobe.jp
TEL : 078-231-0011
*公演についてのお問合わせは、9PROJECTまでお願いいたします。
共催=神戸三宮シアター・エートー
後援=神戸市・神戸市教育委員会・(公財)神戸市民文化振興財団・神戸新聞社・神戸経済新聞・ラジオ関西
MAP(東京公演)
都営新宿線「新宿三丁目」駅
C8出口より 徒歩5分
東京都新宿区新宿2-13-6 光亜ビルB1F
URL : https://www.star-field.tokyo
*公演についてのお問合わせは、9PROJECTまでお願いいたします。
STAFF
作=つかこうへい
演出=渡辺和徳
舞台監督=久保田智也
照明=清家玲子
音響=大貫誉
宣伝写真=堀内亮太
協力=(株)つかこうへい事務所/(株)BRATS/劇団PATHOS PACK
演出/渡辺和徳
1978年、東京都生まれ。
北区つかこうへい劇団に入団後、つかこうへいに文才を認められ、氏のもとで作・演出を学ぶ。
2003年、少年隊ミュージカル PLAYZONE「Vacation」で脚本業を開始。以降、演劇作品の脚本、演出を数多く手がける。
【つかこうへい原作作品】
「二代目はクリスチャン」「広島に原爆を落とす日」「弟よ!」「愛人刑事」「龍馬伝」などの構成、脚本を担当。
つかこうへい作品の演出は多数。
【主な脚本作品】
◇青山劇場「SAMURAI 7」「女信長」(原作/佐藤賢一)
◇明治座「神州天馬侠」(原作/吉川英治)「大江戸緋鳥808」(原作/石ノ森章太郎)
◇新国立劇場「AZUMI 幕末編」(原作/小山ゆう)
◇Zeppブルーシアター六本木「あずみ〜戦国編」(原作/小山ゆう)など。