いよいよ本日より「幕末純情伝〜黄金マイクの謎」のチケット発売開始です!
とうとう…始まる…のだなあ…。などと感慨にふけっている場合ではないのですが、まさかの「幕末」に挑戦ですよ。僕(渡辺)自身もそうなのですが、「幕末純情伝」というと、「新・幕末純情伝」の方が印象強い方が多いのではないでしょうか?
知らない方には「なんのこっちゃ?」と思われると思うのですが、実はこの「幕末純情伝」には、つかさんが作った「幕末純情伝」と、それをベースに岡村さん(という、つかさんと繋がりの深い演出家の方)が作った「新・幕末純情伝」があるのです。
正直、僕も昔は「新・幕末」しか知りませんでした。だって「幕末純情伝」が初演された1989年は、まだ11歳。つか芝居を見る歳じゃありません。だから「幕末純情伝」と言えば「新・幕末」だったし、「やっぱ『幕末』面白いな〜」なんて言いながら観てたわけです。
でもね…うん。改めて初演の「黄金マイクの謎」と読んでみると…いや、これすごくないか??? めちゃくちゃ面白いです。
不条理色の強い70〜80年代作品。1982年に演劇活動を一度休止。そして復活した1989年。そこから始まる「飛龍伝」に代表される90年代作品。7年の間につかこうへいの劇作は大きく変わりました。その過渡期である「幕末純情伝」…キレッキレです。つかこうへいが爆発しています。久しぶりに腕が鳴ります。
今はまだ、稽古開始前なので、まだ9PROの「幕末純情伝」がどう育っていくか、分かりません。ただ一つ言えるのは…(2003年の「つかこうへいダブルス」の印象が強いせいか)「飛龍伝」と二本柱で語られることの多い「幕末純情伝」なのですが…創作のルーツはだいぶ違うな、という気がしています。ここを見つけることが、稽古の最初の課題になる気がしています。
日本の古典作品に海外作品、小説に演歌に大衆演劇、そして別役実…。70〜80年代の初期のつかこうへい作品を上演する中で、たくさんのルーツを見つけてきました。今回はこの大作の中にどんな発見が待っているのか…稽古開始が楽しみです。
9PROJECT 10周年。11年目のスタート。この節目に、この超大作。でも劇場はちょっと小さめですので、ご予約はどうぞお早めに! 劇場でお待ちしております!